スナックにHPがないのはなぜ?検索で見つからないお店の秘密を解説

気になる店を検索しても出てこない――スナックにホームページが少ない理由と、その背景にある独特の文化をひも解きます。

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口コミ最強!スナックならではの「紹介文化」

スナックは地域に根ざした営業スタイルが基本。
常連さんや知人の紹介を通じてお客さんが増えていくのが伝統的な形です。

「○○さんの紹介で来たのよ」
「昨日行ったお店が良かったから紹介するね」

こうした口コミや紹介文化が強く根付いているため、ネットに情報を載せる必要を感じないお店が多いのです。

また、長年の常連さんに支えられているスナックも少なくありません。
「新しいお客さんを積極的に呼び込むより、今の関係性を大事にしたい」という考え方も一般的です。
結果として、「ホームページをわざわざ作る動機がない」というお店も多いのです。

ホームページは“作成も維持も大変”

「HPを作ろうかな」と思っても、実際には大きなハードルがあります。

  • 専門業者に依頼 → 数十万円の費用
  • 制作後も定期的な更新や修正が必要
  • 写真や文章を準備する手間

このように、HPは作るだけでなく維持・管理も必要です。
少人数で営業するスナックにとっては「とても手が回らない」というのが正直なところ。

さらに「HPを作ったからといって、本当にお客さんが増えるのか?」という疑問も根強くあります。
実際、夜の飲食業は“行ってみないとわからない”という世界。
そのため、コストや手間に見合わないと判断されがちなのです。

SNSやネット文化に不慣れな世代が多い

スナックのママやオーナーは40代〜60代以上の世代も多く、SNSやWeb運営が得意ではない方も少なくありません。

「アカウント作成の仕方がわからない」
「パスワードを忘れてしまった」
「スマホで文章を打つのが苦手」

こんな声はよく聞かれます。
ネットを日常的に使いこなす若い世代とは違い、デジタル集客に不慣れなこと自体が壁になっているのです。

結果として、「これまでもネット無しでやってこれたから大丈夫」という考えに落ち着くことも多いのです。

プライバシーやセキュリティへの不安

スナックは、お客様とママとの距離が近い空間。
そのため、情報をネットに出すことに抵抗感を持つケースもあります。

  • 「写真を載せるとお客様の顔が映ってしまうかも」
  • 「ネットに出すと変な人が来るのでは?」
  • 「サイバー攻撃や情報流出が怖い」

こうした不安から、あえて情報発信を避けるお店もあります。
むしろ「ネットに出ていない=安心して飲める隠れ家」というブランディングになっている場合もあるのです。

見つけにくいからこそ価値がある?

スナックにHPがない理由は、一概に「時代に遅れているから」とは言えません。
口コミ文化、デジタルへの不慣れ、プライバシーへの配慮など、さまざまな要素が積み重なった結果なのです。

だからこそ、検索しても出てこないスナックには魅力があります。
知る人ぞ知る名店である可能性が高いのです。

もし気になるお店を見つけたら、ちょっと勇気を出して扉を開けてみてください。
そこにはネットでは伝わらない、人と人がつながる温かい時間が待っているかもしれません。

まとめ

HPを持っているスナックが少ないのは、以下のような理由がありました。

  • 紹介文化が根付いている
  • HP制作・管理のハードルが高い
  • デジタルに不慣れな世代が中心
  • プライバシー・セキュリティへの配慮

これらの背景が重なり、結果として「検索しても出てこない店」が多いのです。

でも、それは同時にスナックの魅力でもあります。
ネットに出てこないからこそ、訪れた人だけが味わえる特別な時間がある――。
そんな一期一会も、スナック文化の本質の一面なのかもしれません。

梅ちゃん/スナック経営者/スナック愛好家(スナッカー)/メディアライター

スナックをこよなく愛する梅ちゃん。これまでに巡ったスナックは1,000軒以上にのぼり、現在は自身でも一店を切り盛りするスナックの達人。 経営で培ったリアルな知見も武器に、スナック文化の奥深い魅力をわかりやすく伝えていきます。

梅ちゃん
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