スナックカラオケ事件簿① さっきも聞いた同じ曲、再び!
「この曲、さっきも聞いたような……」そんな経験もスナックカラオケでは珍しくありません。この記事では、同じ曲がかぶる理由と、その場を楽しく乗り切るスナックらしい楽しみ方を紹介します。
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Edit : スナッカーうめ
Illustration : 星歌
この記事の概要
スナックでは、お客さんの入れ替わりや人気曲の重なり、予約ミスなどで同じ曲が何度も流れることがある。偶然の選曲かぶりは気にしすぎず、歌う人ごとの違いを楽しむことが大切だ。
この記事のポイント
- お客さんの入れ替わりで曲がかぶる
- 人気曲は自然と重なりやすい
- 予約ミスで同じ曲が入ることもある
- 偶然のかぶりと連続予約は別物
- 同じ曲でも歌う人で印象は変わる
INDEX
同じ曲がまた流れる。それもスナック
「あれ……この曲、さっきも聞かなかった?」
スナックで長く飲んでいると、そんな瞬間があります。1時間前に誰かが歌っていた曲を、後から入ってきたお客さんが再び予約。イントロが流れた瞬間、ママや常連の顔にうっすら浮かぶ「あ、また来た」という表情。これも立派なスナックあるあるです。
でも、歌っている本人に悪気はありません。その人にとっては、その夜最初の一曲かもしれないからです。同じ曲が流れても、歌う人が変われば声も雰囲気も違います。スナックでは「曲がかぶったこと」そのものより、その瞬間をどう楽しむかの方が大切なのです。
曲かぶりは誰のせいでもない
スナックは、同じメンバーが最初から最後までいるとは限りません。19時から飲んでいる人もいれば、22時にふらっと入ってくる人もいます。前半のお客さんが歌った曲を知らず、後から来た人が同じ曲を入れることは十分あり得ます。
しかも、みんなが歌いたくなる定番曲は自然とかぶります。筆者も3,000軒以上のスナックを巡る中で、Mr.Childrenの「HANABI」を一晩で4回聞いたことがあります。さすがに4回目のイントロでは、心の中で「本日4発目の花火、打ち上がりました」と実況していました。
昭和歌謡が続く店なら「天城越え」「津軽海峡・冬景色」のような定番曲が重なる夜もあります。「またこの曲か」と思うより、「今日はこの曲の日なんだな」くらいで楽しむ方が、スナックの夜にはよく似合います。
どんな曲を選べばいいか迷ったときは、「【保存版】スナックで盛り上がる曲30選|世代別カラオケ十八番ガイド」も参考にしてください。
「偶然のかぶり」と「連続リクエスト」は別もの
ただし、ここは少し分けて考えたいところです。
知らずに同じ曲を入れる「偶然のかぶり」は、ほとんど気にする必要がありません。一方で、自分がさっき歌った曲を短時間でもう一度入れる、同じ曲を何度も続けて予約する、といった場合は、周りの人が歌いたい状況なら少し配慮した方がいいでしょう。
デンモクやリモコンの操作ミスで同じ曲を重複予約してしまうこともあります。「予約できたかな?」と思って何度か押したら、同じタイトルが並んでいた――そんなときは気づいた段階で取り消せばOKです。分からなければママやスタッフに伝えれば十分。事件は未然に防げます。
スナックのカラオケでは、同じ曲を歌ったことより、マイクや順番を独占することの方が空気に影響します。基本的な楽しみ方については、「スナックのカラオケは下手でも大丈夫?盛り上がるコツとNG例」でも紹介しています。
同じ曲でも、歌う人が変われば別物
曲がかぶったときに面白いのが、同じ曲なのにまったく違って聞こえることです。
さっきの人はしっとり歌っていたのに、次の人は全身を使って熱唱する。同じ昭和歌謡でも、一人は原曲に忠実、もう一人は完全に「俺の歌」になっている。イントロは同じなのに、そこから始まる数分間は別物です。
歌う本人にとって、その曲は大切な十八番かもしれません。初めて来た店で「これなら歌える」と選んだ一曲かもしれない。だから「それさっき誰か歌ったよ」と水を差すより、普通に聴いて、歌い終わったら拍手する。その方が店の空気は気持ちよく続きます。
もちろん、顔なじみ同士なら「今日この曲2回目だよ!」と笑いに変わるのもスナックです。ただし、それは歌った本人も笑える関係だから成立するもの。初対面なら、心の中だけで「本日2回目」とカウントしておきましょう。
曲がかぶった夜ほど、店の空気が見える
同じ曲が二度、三度と流れたとき、その店の雰囲気がよく見えることがあります。
「またこの曲かよ」と露骨に嫌な顔をするのか。「お、今日は人気だね」と笑うのか。ママが「この曲、今日よく出るね」と軽く場をつないでくれるのか。ほんの小さな反応ですが、そこにその店の温度が表れます。
筆者が多くのスナックを巡って感じるのは、居心地のいい店ほど、こうした小さなハプニングを大ごとにしません。選曲がかぶっても、少し笑って、また拍手して次へ進む。完璧に整った夜ではなく、ちょっとしたズレまでみんなで楽しんでしまいます。
カラオケボックスなら「同じ曲をまた歌う?」で終わる話が、スナックではちょっとした会話になる。「さっきの人と歌い方ぜんぜん違うね」「この曲人気なんだな」。そんな一言から、知らない客同士の会話が始まることさえあります。
まとめ|同じ曲でも、同じ夜にはならない
スナックでは、同じ曲が何度も流れる夜があります。お客さんの入れ替わりで偶然かぶることもあれば、人気曲へリクエストが集中することもあります。ときには操作ミスで、予約一覧に同じ曲が並ぶこともあるでしょう。
でも、曲が同じだからといって、その数分間まで同じになるわけではありません。歌う人が変われば、声も表情も、その場の反応も変わります。
だからイントロが流れて、「あ、これさっきも聞いた」と気づいても大丈夫。
今夜2回目の曲には、今夜2回目の楽しみ方があります。
そして3回目が来たら――。
そのときはもう、今日のテーマソングだと思うことにしましょう。
星歌 /芸人・イラストレーター・スナックキャスト
芸人として活動しながら、イラスト制作や俳優業にも取り組むマルチクリエイター。自身が主宰する一人芝居では、企画から演出まで幅広く手がけ、常に新たな表現に挑戦し続けている。 現在はスナックでも勤務し、日々の出会いから新しいインスピレーションを得ている。