スナックカラオケ事件簿⑥ 盛り上げ役が突然消える”中座事件”

スナックの盛り上げ役が曲の途中で突然いなくなる“中座事件”の正体と、その独特の空気感を紹介します。

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Edit & Photo : 梅ちゃん

Illustration : 星歌

盛り上げ役不在で生まれる“気まずい静寂”

「誰かが急に消えるだけで、こんなに空気って変わるんだなって思うよね」と語るのは、桜木町のとあるスナックのママ。

歌っている人はもちろん、手拍子していた常連も一瞬戸惑います。「え、さっきまであんなに盛り上がってたのに…」という違和感が広がり、残された歌声がやけにむき出しに。普段は気持ちよく歌えるはずのカラオケが、突然“試練のステージ”に早変わりするのです(笑)

中座の理由は多種多様、でもどこか笑える

実際の中座理由を聞いてみると、実にさまざま。

  • トイレで別の常連に捕まって雑談していた
  • 急に仕事の電話が入った
  • 外で一服してたら、そのまま酔いが回って腰掛けてしまった
  • 奥さんから「今どこ?」と連絡が来て焦っていた

なんとも人間くさい理由ばかり。中座は勘弁してほしい行為でもありつつ、後から聞けば笑えるネタになるのです。

歌い手の心境は「私の歌が原因?」

最も戸惑うのは歌っている本人。「途中で盛り上げ役が消えると、妙に不安になるんだよな…」という声もあります。歌っている側からすれば、観客が減ったような気分。「もしかして自分の歌が退屈?」と余計な心配をしてしまうことも。しかし、そこを耐えて歌い切ることができれば、むしろ「場を支える強さ」を示すチャンスでもあるのです。

戻ってきた瞬間の爆笑と拍手

そして中座から帰還した瞬間、店は一気に笑いに包まれます。「どこ行ってたの!」「長いトイレだな!」とツッコミが飛び交い、本人は「ごめんごめん!」と苦笑い。さっきまで気まずかった空気が、爆笑と拍手で一気にリセットされます。

「歌い手さんもホッとした顔をするのよね。戻ってきた瞬間、空気が和むの」とママは語ります。

中座事件を巡る常連の証言

常連客に、この“中座事件”について聞いてみると、リアルな声が集まりました。

  • 「あれはあれでこのスナックの名物だと思う。ツッコミどころがあるから楽しいよ」
  • 「中座があった方が、その夜の思い出が濃くなるんだよね」
  • 「戻ってきたら拍手するのは暗黙のルールだね(笑)」

こうした証言を聞くと、単なるハプニングではなく、むしろ場を盛り上げる“お約束”に近い感覚すらあります。

中座から学ぶ、スナックの空気感

中座事件を観察していると、スナック文化の本質が見えてきます。

  • 一人の不在が空気を変えるほど、人間同士の距離が近い
  • トラブルも笑いに変える懐の深さがある
  • 予想外があるからこそ、思い出に残る夜になる

「予定通り進む飲み会なら、普通の居酒屋で十分。予測不能だからスナックは面白いのよ」――ママの言葉がすべてを物語っています。

まとめ:中座は迷惑じゃない、スナックのスパイスだ

スナックカラオケの中座事件は、確かに歌い手を困らせるハプニング。けれど、その後の笑いとツッコミがあるからこそ、場がさらに温まります。

「中座事件が起こると、その夜はずっと心に残るよね」――常連のこの言葉のように、これは単なる失敗談ではなく“思い出を濃くするスパイス”。次にあなたがスナックで歌うときに盛り上げ役が途中で消いなくなったら、それは新しい“スナックカラオケ事件簿”が始まる合図なのかもしれません。

梅ちゃん/スナック経営者/スナック愛好家(スナッカー)/メディアライター

スナックをこよなく愛する梅ちゃん。これまでに巡ったスナックは1,000軒以上にのぼり、現在は自身でも一店を切り盛りするスナックの達人。 経営で培ったリアルな知見も武器に、スナック文化の奥深い魅力をわかりやすく伝えていきます。

梅ちゃん
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