桜木町/日出町 ネオスナック夜泣きとん子

野毛に咲いたネオスナック。

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Edit & Photo : 梅ちゃん

Illustration : 梅ちゃん

今回の舞台は、横浜・野毛。
古き飲み屋街として知られるこのエリアに、
2025年9月、ひとつの“新風”が吹き込んだ。

その名も――ネオスナック夜泣きとん子。
店の名物は、スナックでは珍しい豚汁。
そしてもうひとつの名物は、快活でチャーミングなありさママだ。

「15時開店」に行ってみたら…まさかの“CLOSED”!?

そもともとオレは、週末の野毛スナック巡りを趣味の1つにしている。
でも、オレの知っている野毛のスナックは、いずれも夕方以降のオープンだ。

「昼から飲めるスナックってないのか?」と探していたら、この“とん子”が目に飛び込んできた。
開店時間はなんと15時!

「早い!これは行くしかねぇ!」と気合十分で現地到着。
…が、店のドアにはCLOSEDの札。えっ、うそだろ!?💦
ノックするも無反応。もう一度ノック。……やっぱり無反応。

「おっかしいなぁ〜」と、3度目のノックでようやくママ登場!
どうやら店の奥で豚汁の仕込み中だったらしい(笑)
そんなハプニングスタートだったが、
オレはこのあと、この店にどハマりすることになる。

火の国生まれ、ありさママは情熱の人!

元・歯科衛生士という異色の経歴を持つありさママ。
ずっとスナックをやりたいという夢を抱き続け、2025年9月、ついにその夢を実現した。

「イイ意味で夜職っぽくない」その人柄。
熊本出身のママは、芯の強さと人懐っこさを併せ持ち、笑顔で店を照らす姿はまさに“火の国の女”。
常連さんにも初見のお客さんにもテンポよくツッコミを入れ、店内の空気を軽やかに回す。

初めて来た人でも、あっという間に心を開いてしまう。
――このママ、ただ者じゃない。

余談だが、ありさママのLINEスタンプの所持数は桁違いだ。
オレが「スナッカー」なら、ママはドヤ顔で「スタンパー」だと自称(笑)
ついクスッと笑ってしまった自分が、ちょっと悔しい。

「豚汁」に感動し、その日に再訪

ありさママの故郷・熊本から取り寄せた麦味噌で仕上げた豚汁に触れずして、この回は終われない。
その美味さは文字通り想像を超える。
甘みとコクのバランスが絶妙で、飲みの締めどころか、これ目当てで来てもいいレベル。

あまりの感動に、その夜に再訪してしまったのはここだけの話(笑)
同じスナックに1日2回行くなんて、オレのスナッカー史上初めてのことだ。

幅広い客層が織りなす一体感

店内にはスタンドマイクがあり、まるでライブステージのような高揚感。
しかもこの店、エコーのかかり具合が絶妙で音響も抜群。
近々お立ち台も設置されるようなので、歌好きさんはお楽しみに!

見ず知らずの人同士が手拍子を合わせ、笑顔で声を重ねていく。
“歌って飲んで、誰かとつながる”――それこそが、この店の一体感の正体だ。

お客さんは20代からベテランまで幅広く、女性客も多い。
大学生のイケメンボーイたちの貢献も大きい。
清々しい接客と気配りで、店全体の空気作りにも一役買っている。

笑顔で終わる夜泣きの物語

スナックといえば“昭和の名残”を思い浮かべる人も多い。
だが、この店には令和の空気と人の温もりが見事に共存している。
古きを懐かしみ、新しきを楽しむ――それが「ネオスナック夜泣きとん子」だ。

「深夜にふらっと立ち寄れる“夜泣きそば”みたいに、癒しを提供したかったの。
夜は弱音が出る時間。そんな涙を受け止めて、笑顔に変えて送り出してあげられたら」
――ママが語るその想いに、胸が熱くなった。

“夜泣き”ではなく、“笑い泣き”の夜を。
それこそが、この店が掲げるもうひとつの看板だ。

今日もまた、誰かが笑って元気を取り戻していく。
夜泣きとん子は、心ほぐす明かりを灯す、野毛の新名所だった。

店名 ネオスナック夜泣きとん子
住所 〒231-0065 神奈川県横浜市中区宮川町2丁目57-1 野毛ガレリア 地下一階B号室
根岸線・横浜市営地下鉄ブルーライン「桜木町」駅 桜木町駅南改札西口から徒歩7分/日出町駅から徒歩3分
電話番号 0453155838
営業時間 水〜金曜日/18:00〜24:00
土・日曜日/15:00〜24:00
(月・火曜日定休)

梅ちゃん/スナック経営者/スナック愛好家(スナッカー)/メディアライター

スナックをこよなく愛する梅ちゃん。これまでに巡ったスナックは1,000軒以上にのぼり、現在は自身でも一店を切り盛りするスナックの達人。 経営で培ったリアルな知見も武器に、スナック文化の奥深い魅力をわかりやすく伝えていきます。

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