スナック選曲部⑤|令和世代に響く曲15選
スマートフォンの中で聴いていた曲が、スナックでは店全体をつなぐ一曲に変わります。SNSやアニメから広がり、令和世代の今に響く名曲を集めました。
Published :
Modified :
Edit : スナッカーうめ
Graphic : yohei
この記事の概要
令和世代に響く曲は、SNSやアニメ、サブスク、一人で聴いたイヤホンの時間と結びついている。高音や速い歌詞を含む難曲も多いが、完璧な再現より、自分に合うキーで楽しむことが大切だ。曲の背景を一言添えれば、知らない世代も入りやすくなる。一人で聴いていた現代曲が、スナックでは世代を越えて同じ時間を共有する一曲へと変わっていく。
この記事のポイント
- 令和世代に響くのは今の感情を重ねられる選曲
- SNSやアニメが新しい曲との出会いを生んでいる
- 難しい曲は無理なく歌えるキーへ調整する
- 曲の背景を添えると知らない世代も参加しやすい
- 令和の曲がカウンターに新しい会話を生み出す
INDEX
令和世代に響くのは、“今の自分”を重ねられる一曲
令和世代に響く曲は、学校や恋愛の思い出だけに結びついているわけではありません。TikTokで繰り返し流れてきた曲、アニメをきっかけに知った曲、通学中のイヤホンで聴いていた曲。音楽と出会う場所そのものが、昭和や平成とは大きく変わっています。
一方で、スナックのカラオケでは、スマートフォンの中で一人で聴いていた曲が、カウンター全体で共有されます。若い客が歌い始めた曲を常連が初めて聴き、サビに入る頃には手拍子が起きている。そんな世代の交差が生まれることもあります。
新しい曲を完璧に歌いこなす必要はありません。難しい高音や速い言葉に苦戦しても、楽しそうに歌っていれば、その熱は周囲にも伝わります。令和の曲は、若者だけのものではなく、新しい夜の会話を始める一曲でもあるのです。
SNSからカラオケへ広がった令和のヒット曲
かわいいだけじゃだめですか?/CUTIE STREET
明るく親しみやすいフレーズがあり、若い女性が歌えば店内の空気を一気に華やかにできます。振り付けを知っている人がいれば、一緒に軽く体を動かすだけでも場が和みます。すべてを完璧に踊ろうとせず、歌う本人が楽しむことが何より大切です。
可愛くてごめん/HoneyWorks feat. かぴ
自分らしさを肯定する歌詞と、覚えやすいメロディーが魅力です。少し照れながら歌っても成立し、周囲も明るい気持ちで聴けます。かわいらしさを全開にする人も、あえて淡々と歌う人も、それぞれの個性が出やすい一曲です。
Bling-Bang-Bang-Born/Creepy Nuts
独特なリズムと高速の言葉が印象的で、歌い切れれば大きな盛り上がりが生まれます。ただし、途中から呪文のようになっても焦る必要はありません。完璧さより、リズムに乗りながら最後まで楽しむ姿勢が場を動かします。
好きすぎて滅!/M!LK
感情をまっすぐ押し出した勢いのある曲で、若い客が多い夜には特に反応されやすい一曲です。2026年のJOYSOUND上半期ランキングでも上位に入り、現在のカラオケシーンを象徴する曲のひとつになっています。
アニメと一緒に記憶される令和の名曲
アイドル/YOASOBI
展開が速く、歌詞も多いため、難易度はかなり高めです。それでも、イントロから反応する人が多く、歌い始めるだけで場の注目を集められます。すべてを原曲どおりに再現するより、息継ぎできる場所を決め、自分なりに最後まで走り切る方が魅力的です。
残響散歌/Aimer
力強さと艶を併せ持ち、女性の低音から高音まで幅広い魅力を生かせます。序盤から力を入れすぎず、サビに向けて少しずつ熱を上げることが大切です。鬼滅の刃遊郭編を知らない客にも、曲そのものの迫力が伝わりやすい一曲です。
ライラック/Mrs. GREEN APPLE
青春のまぶしさと、過ぎていく時間への思いが重なる曲です。2025年のJOYSOUNDとDAMの年間ランキングで、ともに楽曲別1位を獲得しました。若い世代だけでなく幅広い年代に歌われており、令和を代表するカラオケ曲のひとつと言えます。
IRIS OUT/米津玄師
鋭いリズムと耳に残るメロディーがあり、店の空気を一気に現代へ引き寄せる曲です。2026年のJOYSOUND上半期ランキングでは1位となっており、今まさに多く歌われている一曲です。言葉を追うだけで精いっぱいにならないよう、リズムを先に体へ入れておくと歌いやすくなります。
一人の時間に寄り添ってきた令和のバラード
ドライフラワー/優里
別れたあとにも残る感情を描き、男女を問わず歌われている一曲です。声を張り上げるより、少しかすれた声や不器用な歌い方にも味があります。感情を入れすぎず、自分の言葉として届ける方が、スナックの近い距離では自然に響きます。
晩餐歌/tuki.
静かに始まりながら、内側に強い感情を抱えた曲です。年齢を問わず歌詞に耳を傾けてもらいやすく、にぎやかな曲が続いたあとの空気を変える役割も果たします。高音を無理に押し出さず、言葉の余韻を残しながら歌うのが似合います。
水平線/back number
励ましを押しつけるのではなく、つらい時間の隣に立ってくれるような一曲です。若者だけでなく大人にも伝わりやすく、店内が落ち着いた時間によく合います。2026年のJOYSOUND上半期ランキングでも上位に入り、長く歌われる令和の定番になりつつあります。
ダーリン/Mrs. GREEN APPLE
他人にどう見られるかと、自分らしくありたい気持ちの間で揺れる感情が描かれています。難易度は高めですが、すべてを強く歌う必要はありません。自分の声に合わせてキーを調整し、歌詞を丁寧に届けることで、若い世代の心に残る一曲になります。
スナックで世代を越えて共有できる令和曲
ケセラセラ/Mrs. GREEN APPLE
前向きさがありながら、無理に元気を押しつけない温かさがあります。店全体でサビを共有しやすく、世代が違っても曲の力が伝わりやすい一曲です。歌唱難易度は高いため、原曲キーとの正面対決は避け、自分が気持ちよく歌える高さを選びましょう。
怪獣の花唄/Vaundy
令和を代表するカラオケ定番のひとつで、力強いサビは店全体を巻き込みます。2025年のJOYSOUNDとDAMの年間ランキングでともに2位、2026年上半期のJOYSOUNDでも上位に入っており、継続して広く歌われています。
革命道中 – On The Way/アイナ・ジ・エンド
個性的な歌声と力強いリズムが印象に残る一曲です。歌手本人の声を完全にまねるより、自分の声の癖を生かした方が魅力的に聴こえます。2026年のJOYSOUND上半期ランキングでも上位に入り、アニメをきっかけに幅広い層へ広がっています。
令和曲を“若者だけの時間”にしない
令和曲を歌うときに避けたいのは、曲を知らない人を置き去りにすることです。若い客同士だけで盛り上がり、周囲が入り込めない状態になると、せっかくの新しい曲が世代を分ける壁になってしまいます。曲を入れる前に、「最近よく流れている曲です」「このアニメの曲なんです」と一言添えるだけでも、知らない人は耳を傾けやすくなります。歌い終わったあとに「今の曲、誰の歌?」と会話が始まれば、その選曲は十分に役割を果たしています。
また、令和曲には高音や速い言葉、複雑なリズムを含むものが少なくありません。原曲を完全に再現しようとして、歌っている本人まで険しい表情になってしまうと、周囲も固唾をのんで見守ることになります。キーを変え、難しい部分は周囲と歌い、最後まで楽しめる形にすることが大切です。新しい歌を披露するのではなく、新しい歌を一緒に楽しむ。その姿勢があれば、令和曲はスナックの文化に自然となじんでいきます。
まとめ|令和世代に響くのは“今の空気を一緒に歌える曲”
令和世代に響く曲には、遠い昔の思い出ではなく、現在進行形の時間が重なっています。SNSで何度も耳にしたフレーズ、アニメと一緒に覚えたメロディー、一人でイヤホンをつけて聴いた夜。その曲は、今の感情とすぐ近い場所にあります。けれど、スナックで歌えば、一人で聴いていた曲が誰かと共有する曲に変わります。最初は知らなかった常連がサビを覚え、次に来たときには一緒に口ずさんでいるかもしれません。
若い人が昔の歌を覚えるように、大人もまた新しい歌と出会っていきます。世代の違いを埋めるのは、全員が同じ曲を知っていることではありません。同じカウンターで、知らない一曲に耳を傾けることです。令和の歌が流れた数分間だけ、店の空気が少し新しくなる。その変化を同じ場所で分け合えることも、スナックで歌う面白さなのです。
yohei /グラフィックデザイナー・スナック経営者
デザイナーとして日々、ロジックと直感の両方を大切にしつつ、使う人の体温が伝わるデザインを追求する。オフは釣りやキャンプ、スナック巡りや梯子酒で、基本ワイワイ過ごしている。